『華麗なる逆転』実況レポート (探偵パート2回目・前編)

日付は、2/9。時刻は、午前3:43。御剣が弁護人として「法廷バトル」に挑む前。
成歩堂は、『始まりの逆転』の資料をPCで確認していた。
当時の美柳ちなみの所業を知って、自分の思い出との食い違いに、彼は苦悩する。
因みにその場所は、堀田クリニックの集中治療室。

……って、集中治療室!?
いわゆるICU( Intensive Care Unit )に入っているという事は、
まさか成歩堂、本当に、生きるか死ぬかの瀬戸際だった?

もしそうだったら成歩堂、身内が呼ばれたりしなかったのか。万一のために。
それともまさか、この時点で天涯孤独の身の上なのか。

と言いますか。
そんな死線をさまよっている身で、事件調査とは。
それも、苦手なはずのPCを完璧に使いこなして。

と言いますか。
そもそも病室、それも集中治療室でPCなんぞ使って良いのか。


まあ、それはさておき。
肝心の、成歩堂自身の状況はと言うと。
成歩堂「……吾童川に飲みこまれたぼくは、奇跡的に救出されたらしいけど……
     考えられるかぎり、この世で最もタチの悪いカゼをひいてしまった」

実のところ、単なる風邪というよりは、肺炎なども併発していると考えられる。
視界(=画面)もブレているし。

しかしそれでも、本日の裁判で、矢張がキーパーソンになるだろう事は察していた様子。



かくして、問題の午後が来た。
成歩堂は、御剣やイトノコ刑事と共に、吊り橋の近くへ。

御剣「だ、大丈夫なのか、成歩堂。
   カオが、なんというか……ミドリ色、だが」


更に、イトノコ刑事にも病状を問われて。
にっこり笑ってさらりと返す成歩堂。(←推定)

成歩堂「微熱ていどですよ。……38度9分だから」
って。
きみの平熱は、いったい何度なんだ。きみは鳥か。 (注:鳥類の体温は40℃程度)


成歩堂「とにかく……裁判の記録は、さっき読ませてもらったよ。
    ……さすが御剣だな。あの状況で、持ちこたえるなんて」


御剣「私は一度、署に戻ろうと思っているのだ」
   「私は……どこかで、彼女
(=あやめ)に会ったような気がするのだ」

労をねぎらう成歩堂に対し、その心を見透かしたような言葉を残し、立ち去る御剣。
残ったイトノコ刑事は、復旧中の橋を確かめて、渡ってみると言う。


なお、一人になってから、橋を調べると……。
成歩堂「ビキニさんの話では、吾童山は地震の多い土地柄らしい。
     ……そういえば……御剣のヤツ、地震が大のニガテだったっけな……」

何となく思い浮かぶ、この先の展開。

ついでに公衆電話を調べると、こんなコメントが。
成歩堂「……携帯電話ぐらい、もってくればよかったな」
結局、また持って来てないのか。この期に及んで。
ミステリの主人公たるもの、携帯電話の不携帯は勘弁して頂きたい。
……私もよくやるけど。



「葉桜院」側の山門。
矢張が冥を口説いているところに出くわす。
ただし、単なるナンパではなく、絵本のモデルにしたいとかで。
因みに、その絵本タイトルは、「メイちゃんのムチムチ大作戦」

そんな折、冥は成歩堂がいる事に気づいたが。
何と成歩堂、冥の名前が出てこない。(←忘れっぽいにも程がある)


その成歩堂や冥に、燃える橋で見た物について問いつめられた矢張は、
あっと言う間に逃げ去ってしまう。

けど、そういえば矢張も、「味方のいない、究極のコドク」(by成歩堂)の人のはずなのだが……。
低いな、扱いが。昔に比べて、遥かに。


気持ちを切り替え、冥と会話。
彼女は今も、アメリカで検事として活躍中の模様。

その冥と話をする傍ら、真宵を心配する成歩堂。
早く「奥の院」側の情報が欲しいと。探偵気質の血を騒がせて。(本当は弁護士だけど)



「葉桜院」側の本堂。
落ちこんでいる毘忌尼と会話。
その毘忌尼の言葉の端々に潜む、違和感。

毘忌尼「エリスさまを死なせてしまって、その上、あやめまで……」
……さま?

今まで、ここまで持ち上げた言い方してたっけ??
疑問を感じつつ、エリスの正体を尋ねると、サイコ・ロックが発動する。またも最大値5つが。


だが、差し当たっての問題は、とにかく吊り橋の復旧である。
毘忌尼「吾童山はね。ムカシから大きな地震が多いのよ」
と、危険な話を向けられる「奥の院」。
川とガケと森に囲まれている――完全なる、陸の孤島。
真宵、そして春美もまた、そちらに取り残されていると考えられる。



一度、「葉桜院」側の境内に行ってみてから、本堂に戻る。
すると、会えたイトノコ刑事から朗報が。橋が復旧したとの事。

その会話に加わった冥は、イトノコ刑事をへち倒して、成歩堂に宣言。
冥「この狩魔が、キサマの調査の指導をしてあげるわ。さっさと、ついて来なさいッ!」
分かりやすく翻訳すれば、「私も行きたい!」とゆーわけで。



成歩堂&冥の変則コンビが、ここからスタート。



復旧した吊り橋を渡って辿り着いた、「奥の院」側の修験堂の入口で。
春美と再会できて、まずは一安心。

春美曰く、やはり真宵に何かが有ったらしいのだが。
尋ねる前に、泣きながら逃げて行ってしまう。


なお、この場面で調べるべき場所は、唯一つ。
雪の消えている焼却炉。ここで、誰かが何かを燃やしたのだ。

ただ、あっさり移動する前に、冥のボケっぷりをじっくり堪能するのを忘れてはならない。



修験堂の中に入ると、まず驚かされるのが、鉄格子の扉に仕掛けられた、
あの心理錠(サイコ・ロック)と同じデザインの鎖と錠。

そして、壁の掛け軸。
何故か、夕食で食べたカレーが、ぶっ掛けられてしまっている。
描かれている綾里舞子の姿は、全く見えない。


以上の2ヶ所を調べると、ゴドーが現れる。
怒りと――そして哀しみをたぎらせて。


裁判を休んだ事情を、語り始めるゴドー。
ゴドー「……オレはなァ。一度、死んだオトコ、なんだよ」
    「死人が地獄からよみがえるには……くだらねえ手つづきが必要なのさ。
    定期的な身体機能の精密検査、体内物質の補給・調整……。
    めんどくせえ現代医学にすがって、みっともなく生きながらえる……。
    それが……今の、このオレだ」

成「そ、それじゃあ……その、マスクも……?」
ゴ「コイツがなきゃ、オレはアンタのマヌケヅラを見るコトもできねえ」
  「……オレの目は、とっくにイカれちまっているのさ。
  こんなデカいメガネをブラ下げていても……完全には見えねえ。
  まあ……、このポンコツな身体を点検していたワケだ」


ついにここで、ゴドーの背負う業(ごう)が明かされる。
今の彼は、まさに満身創痍で生きている。
彼にとっては、今こうして生きている事自体が戦いなのだ。

一見した限りでは、銀髪と思われるその髪も、実は本当の白髪なのだ。
本来の黒髪から、ことごとく色素の抜け落ちた。


そんな風に、彼の姿が変わってしまった経緯とは、果たして何か。
ゴドーは、成歩堂に問いかける。
ゴドー「アンタは、知っているハズだ。
    このオレが……いつ。そして、だれに”殺されたのか”?」

この事件を追っているのなら、とうに調べてるんだろう?と、話を向けてくる。
実際、今の成歩堂はもう、当時の事を知っている。千尋のデータを通して。


ただし。一つ注意すべき事柄がある。
今回に限っては、このゴドーの発言は、全て真実だとは言いがたい。
確かにゴドーは、ひんぱんに病院に通わねばならない身の上ではあるだろう。
だが、殺人事件のあった昨日今日に限っては、それどころじゃなかったはずだから。


続いて語られる、ゴドーの持つ怒りと哀しみの理由。
ゴドー「連中、必死で探しているのさ。消えちまった修験者の痕跡を……、な」
    「綾里真宵は、オンボロ橋のこちら側には、存在しねえ」

という事は、後に残る可能性は、もっと奥。修験洞の中しかない。が。

ゴドー「修験洞内の温度は、氷点下にいたることもある」
生きている可能性は、限りなく低くなっていく。

つまり……。
ゴドー「アンタは、綾里真宵を見殺しにしたことになるのさ」
    「アンタのせいで……またしても女がひとり、死ぬ」
    「今から、3年前だ。……アンタのせいで、死んだ女がいただろう?」
    「綾里真宵の、姉……そう。綾里千尋さ!」
    「彼女は、アンタが殺したんだ!」


強引に掘り起こされる、『逆転姉妹』の時の、苦い記憶。

ゴドー「彼女は、あまりに巨大な相手を敵に回しちまったのさ」
    「あのとき、彼女のそばにいたのは、アンタだけだ。
    アンタが……彼女を守ってやるべきだったのさ!」
    「綾里千尋が《師匠》だと……? 笑わせるな、まるほどう!
    アンタは彼女のイノチを奪った。そして、今……
    彼女の妹のイノチすら、見殺しにしようとしているのさ!」


このゴドーの言葉は、半分は正論。
けれど。あの第1作の頃の成歩堂には、そんな大それた余裕なんて、まるで無かった。
だからこそ千尋も、何も打ち明けず、独りで戦っていたはずだ。
なのに、ここまで責め立てられる理由は何なのか。


そして、扉に仕掛けられた錠について。
ゴドー「《からくり錠》だ。今、解除の手配をしている」
と説明される、この錠の扱いが、非常に厄介。

例えば、無理に破壊しようとしても……
ゴドー「たび重なる振動で、《修験洞》の地盤は、もうガタガタなんだ。
    カギを破壊するために、よけいなショックを与えたら……
    《奥の院》自体が、ほら穴ごと、崩れちまうだろうぜ」


かと言って、解除するというのも簡単な話ではない。
コレは鍵穴の無い、特殊な錠前なのだから。
ゴドー「一種のパズルだな。こいつを開けられるのは……
    ここに《錠》をセットした人間だけ、なんだよ」



という事は。今必要なのは、その錠をセットした人物。
ゴドー曰く、その人物とは、真宵の修行に立ち会った、あやめであるとの事。
ゴドー「修験者の修行は、この《修験洞》の奥で行われる。
    立ち会う尼僧は、《からくり錠》で修験洞の入口を閉ざすんだ」



実を言うと……この辺りから、話の論理展開に混乱しつつあった。1周目当時(に限らず、ずっと)。

もし、あやめがこの錠をセットしたというのなら。
ソレこそ、あやめが「奥の院」側に来ていたという証拠に他ならない。
あやめが御剣にした証言とは、明らかに食い違ってしまう。
間違いなく、彼女にさいころ錠、もといサイコ・ロックは視えなかったというのに。


ともあれ、そのあやめに錠を解除してもらうため。
御剣が連れて来るように、ゴドーは首尾よく手配したらしい。

ゴドー「オレは決して、アンタを認めねえぜ」
最後にそう言い残して、ゴドーはその場を立ち去った。



調査を進めるべく、成歩堂と冥も修験堂の外へ。
すると、独り悩んでいるイトノコ刑事を見かける。
糸鋸「……やっぱり、アレは水洗いしておいたほうが……」
などとと呟いているところを、取りあえずムチで引っぱたいて声をかける冥。
そのイトノコ刑事が歩いて行った、「立入禁止」の立て札の向こう側にある中庭へと移動。



その、問題の中庭にあったのは。
赤い文字の書かれている、白い灯ろう。
また、何故かその灯ろうの周りだけ、白い雪が取り去られているのも気にかかる。


強気の冥の力添え(?)で、調査を始める成歩堂。

先に調べるべきは、雪に埋もれている、年代物のお守り。エリスが首に下げていた物らしい。
よく見ると、どこかで見かけたような紋様が、そのお守りには刻まれている。


そして。灯ろうに有る赤い文字は、逆さに書かれている「マヨイ」。
被害者である、エリスの血で書かれているという。
またも思い出される、『逆転姉妹』でのダイイングメッセージ(じゃないけど)の記憶。


こんな血文字が見つかった以上、この中庭こそが、本当の殺人現場と考えるべき。
しかし、それなら、境内で有ったはずの「殺人事件」はどうなってしまうのか。
その食い違いを毘忌尼に確かめるべく、今度は「葉桜院」側の本堂へ向かう。


……そういえば成歩堂、この章からは平気で吊り橋を渡っている。
復旧中なのだから、足場は相変わらず不安定のはずなのに。
やはり本気になると、この男から「恐怖」の念は消えるのか。



一旦、「葉桜院」側の山門へ着くと、あやめを連れて来た御剣と会う。
あやめと御剣は「奥の院」側へ、成歩堂と冥は「葉桜院」側の本堂へ、彼らは二手に分かれる。


今にして思えば。
この時、成歩堂たちも「奥の院」側へ向かっていれば、事は平和に終わっていたのかもしれない。

実際、成歩堂は御剣を引き止めてはいる。
だが、あの血文字の件から、真宵は既に、殺人事件の重要参考人になってしまっている。
よって成歩堂は、「奥の院」側へは行けないのだ。



「葉桜院」側の本堂。
先程より、更に落ち込んでいる毘忌尼と会話。
毘忌尼「さっき、あやめが来たのよぉ。赤い王子さまをしたがえて」


満を持して、毘忌尼のサイコ・ロックを解除。エリスの正体を暴く。
毘忌尼「……エリスさまが葉桜院にいらしたのは、1週間ほど前よ」

やはり彼女は、ただの絵本作家ではなかった。
死ぬその時まで身に付けていたはずのお守り――家元の護符が、その証拠だ。

冥「17年間も姿をかくしていた彼女が、なぜ、今になって……?」
と尋ねられた毘忌尼が、その事情が語ろうとした時。

決して起こってはならない出来事が、起こった。





地震発生!





規模としては、最低でも震度5以上かと。(←推定)
立っていられないくらいというか。時間も、相当長かったようだし。

とにもかくにも、一刻も早く「奥の院」側に行かねばならない。
冥の権限があれば、必ずや通してもらえるはずという事で。
成歩堂(……そのとき……イヤな予感がムネをよぎった)
ふと、御剣の事情を思い出す。
またも蘇る、苦い記憶。



「葉桜院」側の山門へ出ると、血相を変えている(と思われる)御剣に会う。
御剣「に……逃げられた」
   「あの、被告人……あやめさんだ。……消えてしまった!」
   「”脱走”、だ。……取り逃がしてしまった!」
   「地震が起こった瞬間、目の前がまっ暗になって……意識が、飛んでしまった……!」


何と、一大事!
と、驚くべき事件の展開よりも、驚くべき事が密かに起こっている。

第1作の、肝心要のトップシークレットのはずの、御剣の地震恐怖症が、
まさかこんな形で出てきますか。
御剣の15年に渡る心の傷が、単なる伏線の一つとして登場しますか。





……………………怖いです。色んな物が。





山一帯に検問を張らなければと慌てている御剣に、成歩堂は静かに告げる。
成歩堂「ぼくの知っている彼女は、逃げたりはしないよ、御剣」



成歩堂・御剣・冥の三人で、「奥の院」側の修験堂へ急ぐ。
着いた彼らがその部屋で見たのは、信じられない、信じたくない光景だった。
鉄格子の扉に仕掛けられた「からくり錠」は、5つに増えていた。



そこに――――あやめが立っていた。




戻る  次へ

他の事件を読む


HOME


inserted by FC2 system