今回の目的は、河津京作の証言を崩す事――の前半戦。
開廷直前。
今回、王泥喜のそばに付くのは、みぬき。
成歩堂先生は、足の古傷が痛むので欠席との事。
かつて川に落ちたあの時に、怪我でもしたのか。
その一方。
北木父子は、相変わらず。親子喧嘩の真っ最中。
滝太「よお、アンタ! オレ、有罪判決なんか、気にしねえからよ。
今日はラクにやってくれよ!」
「オレはな。オヤジとちがって、ケーサツなんか怖くねえのさ!
極道なんてのは。刑務所のメシを食って、ハクがつくのさ!」
だったら勝手にしたら?
……なんて言葉、被告人に言っちゃダメだよな、きっと。
考えるに、たぶん現状を理解できてないのだろう。この被告人。
この作品世界では、アッサリと死刑になる率だって低くない(はずである)のに。
さて開廷。
今まで謎のにーちゃんだった響也の正体――検事である事――が、ココで判明。
裁判長「正直、シンパイしておりましたよ。
あなたもまだ、あの事件に縛られているのではないかと……」
今までとの、対比。
前作までは、「主人公だけが知っている因縁」が横たわっていた。
今作では、「主人公だけが知らない因縁」が横たわっている。
という、真面目な空気が流れていたのは、この辺りまで。
響也「……つねづね思っていたんだけどね。
法廷の、この空気。……なんか、重たいんだよなあ」
「これじゃア、お客さんもノッて来ないと思うんだ」
この台詞を読んだ時。
『逆転サーカス』のトミーの顔が、何故か浮かんだ我が頭。
そう。仮にも人が亡くなってるんですけどね。ねえ検事さん。
それで結局、繰り出された攻撃。
響也「今日は、こんな感じで行ってみようか!」
この瞬間。響也の専用音楽が流れた瞬間。
DSに使ってるイヤホンを、耳から引っこ抜いたのは私です。
……この点につきましては、もう本当に「ごめんなさい」と謝るしかない。
最早コレは、趣味嗜好――個人的な好みの問題だと思うから。
もともと当方、音楽の好みが狭いのだ。元から素養が無いというか。
ゲームは無音(ミュート)でプレイするのが当たり前、というような奴でして。
それでも『逆転裁判』の音楽は、お気に入りが揃っていたのが今まで奇跡。
それから。
事件内容を説明しながら、響也が披露するエアギター。
この場面では、左利きとして弾いている。
ただコレ、ギターに詳しい人に言わせると、どこか手の動きが変だったりするらしい。
今でも思う。
個人的には、彼には本物のギターを弾いてほしかった。
例えば、どこからともなく(傍聴席から?)ギターが上から降ってくるとか。
というか、てっきり傍聴席からファンの声援が飛んでくると思ってたんだが。ダメかな。
最初の尋問。
被告人である、滝太の事情を訊く。
本来なら、コレを留置所でやるべきだったと思うが。
それで分かった事。
今の滝太は文字通り、心臓に爆弾を抱えている事。
もっとも、この時点では当方、まだ本気で恐れてはいなかった。
所詮ギャグ、所詮ネタだと。
さもないと、
響也「……自分を助けられる、唯一のオトコを殺害しちゃうなんてね。
キミもずいぶん、おっちょこちょいだなあ。……あっはっはっはっ」
なんて、笑ってる場合じゃないだろうし。
響也「……さて。いい感じで空気があたたまってきたところで。
そろそろ、始めようか。……アツい《ギグ》をね!」
豆知識。
「ギグ(gig)」とは本来、「一度限りのミニコンサート」のような意味。
それが日本では、ロックコンサート全般を指すようになったのは、
BOOWYが始めた事だったとか。
では、ここからギグ、もとい本題の始まり。
事件の目撃者である、河津京作が登場。
因みにこの人、勇盟大学・理工学部の3年生。
手にする本のページをめくりつつ、川の流れのよーな長台詞を語る。
それで、いざ証言が始まる前。みぬきがこんな発言。
みぬき「あの、証人のおニイさん……どこかで見たことがあるような気がするの……」
ここからは、普段通り。
証言の一つ一つを揺さぶって、補足の台詞も読み終えて。
おもむろに異議を申し立てる……のだが。
王泥喜(ふう……これなら、オレでも安心だな)
「えーと、ですね。…………………。あ! そうだ!」
「あの。これ、って……”ムジュン”ですよね?」
(よかったあ。これでイイんだな、やっぱり)
危なっかしくて見てられない。
それに、肝心のBGMが、すぐに何度も途切れるのも気にかかる。
何もここまで、初心者プレイヤーの思考を再現しなくても。
せめてコレが第1話ならともかく。もう第2話なんだし。
そこに響也が反論。
響也「……あのさ、おデコくん」
って……あの。
後生ですから、名前か役職で呼んで下さい。ここは公的な場だから。
てゆーか、オレ主人公だから。(←プレイヤーとしての率直な感情)
新たな情報を元に、尋問は続く。
みぬきがくれたヒントを受けつつ、凶器の指紋について異議を申し立てる……のだが。
王泥喜「ハンニンは”すたこら”逃げたワケですよね?」
みぬき「そうだよ! 指紋をぬぐい去るヒマなんて、なかったじゃないっ!」
台詞を盗られた。
助手ポジションは位置を弁えて下さい。頼むから。
もしワトソンがホームズより頭よかったら、
もし小林少年が明智小五郎より頭よかったら…………変でしょ?
新たな情報を元に、尋問は続く。
全ての証言を揺さぶって、今度こそ異議を申し立てる…………事が出来ない。
と言いますか、てっきり携帯電話をつきつけるんだと思い、
それで何度も玉砕した。1周目当時。
まさか諦めるのが正解とは。夢にも思わず。
さて、一体この後どうなるのか……と考えるのも束の間。
みぬき「きゃああああああああああああっ!」
あらぬ狼藉が発生。
藪から棒に唐突に。法廷に現れた侵入者。
シルクハット&マント姿の、黒い人影。
「……動くな」
「その判決……待ってもらおうか」
「この、かわいいムスメのイノチと引きかえだ。
……20分。休廷しろ」
「……20分、休廷だ。さもないと……後悔するコトになる」
そう言い残した後、みぬきを人質に取って走り去る。
このアクシデントのため、裁判は問答無用で中断された。
ひとえに、シャレになってない展開なのである。色んな意味で。