今回の目的は、河津京作の証言を崩す事――の後半戦。
休憩室にて。
必死の形相で駆けこんで来た(←推定)王泥喜に、容赦ない現実が突きつけられる。
ソレ即ち、大道芸の炸裂。
みぬき「これ、みぬきの得意芸。《ぼうしクン》って言うんだよ!」
ぼうしクン「ぼうしクンです。ヨロシク」
このツーショットを見て思い出すのは、腹話術師のベンとリロ。(『逆転サーカス』参照)
この大掛かりなギミックが、前章で起こった騒動の真相。
そして、ひいては――7年前に起こった騒動の真相でもある。(←ネタバレ注意!)
そこまで派手にやらかした、みぬきが王泥喜に示す提案。
みぬき「みぬきには“見える”……あの人の“ココロの動き”が」
「もう一度! あのヒトの証言を聞いて……ううん、ちがう!
証言を”見て”ください!」
審理再開。
みぬきの件は何となくゴマカして、そして尋問のやり直し。
きっと第1話と同じ要領で、あの異空間に突入するんだろうと待ち構えていたら。
その前に。奇妙な事が。
王泥喜(な、なんだ……? オレの”腕輪”が……)
(腕輪が、いつもと違う感じがする……!)
(この”腕輪”が、”何か”教えてくれる気がする)
(……この”腕輪”の反応……どうやら、コイツがカギだ!)
王泥喜の腕輪。
今までずっと、説明ゼロで流されてきた謎の存在が、やにわに目立ち始める。
が、念のため断っておきますが……。
本来の直観は、いわゆる超能力とは違います。
誰でも、(理論上は)使える力です。
何はともあれ、みぬきの言葉に従い、怪しい仕草をしている台詞を揺さぶると……。
いつの間にやら、画面に腕輪のアイコンが。
(正確には、「うでわ……ですか?」(byみぬき)の時から出現)
よって、今度は王泥喜の言葉に従い、画面上のアイコンに触れると……。
異空間、再び。
そして始まるチュートリアル。みぬきによる丁寧な指導。
でも、
王泥喜(他のものは”見えない”。そして……”聞こえない”!)
と言っているのに、みぬきの声は聞こえるとゆーのは謎。
とにかく指示通り、ボタン操作で照準を合わせ、
その後、ゆっくり表示される台詞を見守る。
区切られたフレーズに沿って、相手の指が――動く。
その瞬間。事は動いた。
この尋問でキーになるのは、やはり携帯電話。
この時、直に電話機を見せてもらっても良いが。
面白い展開になるのは、電話をかけさせてもらう事。
王泥喜「……みぬきちゃん。携帯電話は持ってる?」
「アイツが言う番号にダイヤルしてみてくれるかな」
その結果。
再び法廷中に、響也の曲――の着信メロディが響きわたる。
予想していた通りの所から。
かくて。今度こそ。
王泥喜自ら、河津の証言を打ち崩す事に成功。
そのままガンガン勢いよく、河津を追いつめていく。
ただ、そうやって、こちらが突き進んでいるわりには、
妙に落ち着き払っている響也が気にかかる。
もっと言えば、「初期三部作」での検事たちのような、動揺狼狽が見られない事が。
本来なら、王泥喜に論をぶつけられ、気圧されているはずなのに。
河津と一緒に取り乱しても良さそうなのに。
ともあれ、この後もセオリー通りに戦っていく。
全部ゆさぶって、選択肢を選んで、証言を増やして。
河津がスーパーの試食マニアである事も何故か分かったりしながら。
その河津の証言から判明する事実。
またも出た、3D(立体視)で再現される事件現場において、
真正面に向き合った二人と、それを横から見てる一人と。
実は目撃者の位置こそが、被害者を正確に撃てるという、驚くべきその事実を……。
みぬきが解いてくれました。
助手ポジションとして云々、なんてレベルの話じゃない。
もはや師匠ポジションさながらの勢いで放たれる長口上。
その一方。
横に控える、肝心の王泥喜はと言えば、こんな様子で。
王泥喜(す。スゴい……さすが、成歩堂さんのムスメ、か……。
オレが考えゴトしてる間に……勝負の場を引っくり返した!)
なんて感心してる場合じゃないと思うぞ主人公。
このままだと、みぬきが主役になっちまう。
が、しかし。
この章の最後をまとめるのは、やはり王泥喜の役目。
河津の罪を告発する。
彼の殺人罪、もとい、真なる罪を暴くため――。
法廷に広げられる、パンツ。パンツ。とにかくパンツ。
王泥喜「あなたは、殺人犯ではないかもしれませんが……
それはそれは、いかがわしい、パンツドロボーだったのです!」
と、そこに河津が弁明。
河津「ワタクシは、ただ……その”パンツ”の謎を解明したかっただけなのです!
そのパンツから、タイヤが出てきたその謎を……ッ!」
「わ、ワタクシは見たのだッ!その少女が!パンツから!タイヤを!ナベを!ラーメンを!
ミゴトに取り出した、奇跡の大魔術をッ!」
みぬき「あ……思い出した! おニイさん……最近、毎晩《ビビルバー》に来ているお客さんだ!」
そう。
河津の目的は、あくまでもマジックのトリック。
小道具のカラクリを知りたかっただけなのだ。
ただ、如何せん、その小道具がパンツだったのが運の尽き。
それで彼は、街のアチコチに、パンツをばら撒くハメになったのだ。
後で思えば。
この河津の行為もまた、この度の殺人事件と密接に関わっていた。
たかがパンツ、されどパンツである。