事務所にて。
しっちゃかめっちゃかになった法廷について語る王泥喜と、みぬき。
響也とマキとラミロアと、更に大庵まで絡んだ、この事件。
こうなったら頼みの綱は、あの成歩堂先生を残すのみだが。
みぬき「あ。そういえば、パパ。最近、見ないですよね」
「なんだかね、パパ。最近、よく出かけてて、いないんですよ。
”ごくひにんむがある”って」
もしやこの時、あのMASONの準備を進めていたのか。
みぬきと会話する前に、事務所内を改めてチェック。
やはりコメントが変化している。
特に押さえるべきは、法律書の並ぶ本棚。
ここで王泥喜の個性を垣間見る。
王泥喜「ちょっと前に掃除をしたので、ホコリひとつなくて、気持ちがいい」
良かったね、法律書たち。やっとキレイ好きな弁護士が来たねえ……。
その上で、みぬきと事件について会話。
今や最有力容疑者となった大庵が、差し当たって気になるところ。
そういえばコンサートで彼、演奏をミスしてたっけ。
そんな会話を、済ませた途端。
「……はーっはっはっはっはァ……」
「……浮き世に奇跡のあるところ、常に或真敷の影あり……」
変な人が出た。
否、よくよく見れば、コンサート会場にしばしば現れていた、あの謎の人物。
シルクハット&マント姿、そしてステッキを持ったマジシャン。
その名も、或真敷(あるまじき)一座の魔術師・「或真敷バラン」。
この度、7年ぶりにみぬきと再会したとの事。
そのバランの言葉を受けて、はしゃいだ様子で答えるみぬき。
みぬき「だって。バランさん、みぬきのパパの、大親友なんだもんね!」
「みぬきの……本当の、パパ」
って、何だか出血サービス大安売りだな。この第4作での「親友」。
ただし、今度は成歩堂についての話題ではなく。
縦糸の本題――みぬきの実父についての話題だ。
その名も「或真敷ザック」。バランの相棒を務めていたという人物。
だが、そのザックについて、娘であるはずの、みぬきは語ろうとしない。
みぬき「……もう、いないから」
……と。
果たしてコレ、どういう意味合いで言っているのか。
明らかに、死者に向けられた言葉に思えるが。
そんな話を語るバランが持って来た物は、ビデオテープ。
あのコンサートの、あの3Dムービーが収録されている代物。
で、そのムービーを強制的に見せられて、最初は大いに焦った当方。
セーブ出来ない、スキップさえ出来ない状況に。(2周目以降もスキップ出来ない)
もし万が一、この場面でバッテリーが切れたら、一体全体どーしよーかと……。
そのムービーを、バランが見せた理由は。
奇術師である彼が、ラミロアが瞬間移動(テレポーテーション)したイリュージョンを仕掛けたから。
どうやら、大きなトリックが仕込まれているらしい事を匂わせつつ、
バランは事務所を去って行く。
てなわけで。改めて調査開始。
無駄とは思いつつ、まずはセオリー通り留置所へ行く。
話しかけても案の定、マキからは何の答えもなく……と思いきや。
王泥喜「……!」
(な、なんだ……?)
「やっぱり……気のせいじゃない」
「……反応するんだよ。オレの腕輪が……彼に」
という事は。きっと日本語が分かるんだろーな、この子……と、心に留めつつ、次の場所へ。
「ガリューウエーブ」のコンサート会場である、県立国際ひのまるコロシアムに到着。
「県立」というからには、やっぱり地方都市なんだな、ココ。
なお、このコロシアムの広場にも、「タイホくん」が居るのが見える。
楽屋前の廊下に着くと、ラミロアと出会う。
それも何と、
ラミロア「ああ……弁護士さん」
盲目のはずのラミロアの方から話しかけてきた。
ラミロア「……あなたがたの足音なら、おととい、何度か聞いてますからね」
という、まさしく離れ技。
こんな事が出来るのは、てっきり先天的な盲目だからこそと思ってた。1周目当時。
法廷での証言を含め、彼女にまつわる事情を再び尋ねて、
更にコンサートでの瞬間移動(テレポーテーション)の件を問いただして。
そこまで話を進めてから、やっと、落ちっぱなしのヘッドセットをGetする。
ラミロア「あくまでも、ステージの上で連絡をとるためのものですから……
使えるのはせいぜい10メートルの範囲内なのですけれど」
この台詞を一番に覚えておいた方がいい。
とにかく、ヘッドセットの電波が届くのは10メートル。
問答無用で10メートルなのだ。例外なく10メートルなのだ。(←連呼)
事務所での会話を思い出しつつ、イリュージョン現場であるステージに。
すると、ステージ上でピアノを弾いているバランと出会う。
またも3Dムービーを見せられながら、イリュージョンについてを話し合った後。
語られる一座の話。
バラン「……今から、20年ほど前。ひとりの天才魔術師がこの世界に降り立った……。
……その名は《或真敷天斎(てんさい)》。
……彼が立ち上げたのが、《或真敷一座》なのです」
「天斎が、その才能を認めた弟子は、私とザックのふたりだけでした。
《ザックとバラン》は、一座の花形スターだったのです」
その後、バランの言葉に従ってピアノを調べると、
弦の間に何かが挟まっているのが見つかる。
なお、この場面では、第4作では貴重な小ネタが幾つか。
ステージ上の「タワー(=「せり上がり」)」を調べると、こんな台詞が。
みぬき「……そういえば。パパもニガテですね。高いトコ」
「こないだ。遊園地でカンランシャに乗ったんですよ。
パパ、途中からカオが”もすぐりーん”になってました」
また、バランに弁護士バッジを見せると、
みぬきが腰に着けているのは「トピット」という物である事が分かる。
それからバランについては、ピストルを示した時の反応も覚えておくのが吉。
ここまで調べてから、ラミロアの楽屋に入ると、出迎えてくれるのは――あの、かりんとうの音。
刑事部長に怒られたとボヤいている茜。
そんな彼女が部屋で見つけた小さな機械。
もしやと思い、先程ステージで見つけた物を見せてみる。
もしやと思い、さっそく操作してみたら――。
茜「………………………あちちちちちちちちちちちちちッ!」
みぬき「もも。燃えてますよ! アカネさんのキガイがッ!」
という、この結果から考えると……。
もしや、このメカが、響也のギターを燃やした”犯人”?
茜「たしかに、これはちっちゃな発信器ね。
電波は弱いみたい。せいぜい、10メートルていど、かしら」
その計算を進めていくと、
どうやら、ここ「楽屋2」(=ラミロアの楽屋)からステージにまでなら、機械の電波が届く模様。
王泥喜(ステージ……は、さすがに関係ないと思うけど……)
いやいやいやいや。
この楽屋はともかくも、きっとステージにこそ関係がある。あるに決まってる(←早々と決めつけ)。
因みに。この時、楽屋のスピーカーを調べれば、みぬきの小遣い額が判明する。
よって自動的に、彼女が探偵パート1回目で散財した額も判明する。
結論から言えば、ズヴァリ総計9万円なり。
ここまで調べてから、再びコロシアムの外へ。
なお、余談ながら、この章では「ガリューウエーブ」の楽屋に行く必要はナシです。
そこで、仕事を外されているらしい大庵と出会う。
会話の前に、まずは色々つきつけてみるのが先。
すると、響也が何故か、「女の子にヘコまされる大学生」の歌を作った事が分かったりする。
後の会話も、響也についての話題が中心。
大庵「ホント、マジメすぎるんだよな!」
「ちゃらちゃらしたカッコしてるがな。うっとうしいほどマッスグなヤツだ」
と、当方としては意外にも思う、高評価ぶり。
が、物語の流れとしては、この高評価ぶりが、逆に悩ましい。
それほどまでに、大庵が響也の事を思いやっているのなら。
そんな大庵が、響也を裏切るはずはないのだ。
コンサートを台無しにするはずなんてないのだ。
なのに。それなのに。
そして。最後に立ち去る時。
大庵「あの”歌姫”とかいうおばさんの言うことに、ダマされるなよ」
と言い残した大庵に対して、
みぬき「なんか……感じ悪いですね」
と、一刀両断する、みぬき。
私個人としては、感じ悪いというよりも寧ろ、違和感が強かった。
気さくで話しやすいこの人は、どうか無実でいてほしい――と、思っていた。1周目当時。
その大庵の言葉を受けて。
「初期三部作」では禁断の地だった場所――検事局に到着。
響也のオフィスに入ると、ちょうど彼は電話中。
どうやら、レタスが追っていた「何か」について話している様子。
少しだけ聞き慣れてきた響也のテーマソングを聞きながら、
オフィスに置かれた謎のプラスティックや、燃えたギターを調べておいてから、
事件その他諸々について話し合う。
王泥喜が新聞を読まない人である事が分かったりしながら。
響也が、この度の自分の醜聞に全く動じてない事も分かったりしながら。
響也がラミロアと初めて会った、1年前。
当時その場で作った楽曲こそが「恋するギターのセレナード」だった。
この度のコンサートで燃えたギターは、その折にラミロアから譲り受けた物だった。
響也「ラミロアさんのスタジオで真空パックして……
証拠品の輸送に使う、検事局のトクベツルートを使って……
直接ぼくのオフィスまで、届けさせたんだ。……ダレの手も触れさせずにね」
そのギターが燃えた原因。
響也「ギターには、まるい穴があいてるだろう? ”サウンドホール”というんだけど」
「あそこのウラにね。なんか……コワれたキカイのようなものが、貼りついていたんだそうだ」
この点。ギター、というか音楽を少しでも分かる人には、大いなるツッコミ所…………らしい。
……いや、ホント自分、音楽ネタは分かんないもので……。
(追記。その後。音楽に詳しい知人に尋ねたところ。
「楽器に異物が入ってたら、演奏者はすぐに分かるはず。コンサートなんて出来るわけない」
という内容のコメントを頂きました。
確かに言われてみれば、まともに弾く事さえ無理ですね本来なら)
こちらも発火装置の事を教えたりして、お互いの情報交換を済ませた後。響也は語る。
響也「おデコくん。ぼくは思うんだけどね。
人生で出くわす事件は、とてもフクザツだ。どいつもこいつもね。
だからこそ、自分のキモチぐらいは、シンプルに持っていたい。
ぼくが検事になろうと思ったのは、《真実》を追求するためだ」
「ムリして弁護士と張り合うつもりはない」
……と、あまりにも颯爽と突きつけられてしまった、法廷バトル否定論。
まあ確かに、事の真実を詳らかにするのは大切な事ですが。
それなら警察官になった方が早いと思いますよ。牙琉検事。
そんな響也との話を終えたら、コロシアムへUターン。
居合わせた茜と会話。
彼女曰く、ラミロアがコロシアム内に見当たらないとの事。
そのため、王泥喜たちもラミロアを捜してみようと動く。
会場内をぐるぐる歩いていると、ステージにて異変アリ。
真っ暗闇のため、係員に明かりをつけてもらう。
見ると、ずっと開いていたはずなのに、今は閉まっているコントラバスケースが気になって。
試しに調べてみたら、そこには。
ラミロアが詰まってた。
すわ連続殺人事件か!と焦ったが、
「事件一つに死体一つ」のお約束こそ、『逆転裁判』シリーズ最後の砦。
間違っても、亡くなってはいないはず。
場面変わって。引田クリニック。
無事に意識を取り戻したという、ラミロアと会話。
いきなり何者かに狙われて襲われた事、
しかし何とかステージまでは逃げのびた事などを聞いてから、
検事局で知らされた謎の物体について訊いてみる。
ラミロア「おそらく、これは……《ボルジニアのマユ》ですわね。
これは、どうやら……おもちゃのようですけど」
「”ボルジニアの”というだけあって。たぶん、わたくしの国の特産品、なのでしょうね。
ボルジニア人なら、だれでも知っています」
「……ボルジニア人であれば、そのマユについて……たったひとつ。
かならず知っているジジツがあります」
「この”マユ”を国外に持ち出した者は……なにものであれ、
本国の法律で、”死刑”に処されます」
信じがたい状況。
何と、この度の殺人事件は、とうとう国際密輸事件になってしまった。
マキが隠している秘密の一つが、ついに分かった。
通訳を務めてもらうラミロアと共に、この章での最後の地――留置所へ。
その留置所で、マキがラミロアを通じて打ち明けた事。
ソレは「ボルジニアの繭」の秘密。
そして、自分が密輸人である事も――事実上――認めた。
そんな矢先。
大庵「面会は、そこまでだ」
「ボルジニアの大使館から、コイツに連絡が入っている。面会は中止だ。……すまないがね」
「……目ざわりなんだよ」
肝心なところで、大庵に面会を止められ、マキは強引に連れ去られる。
ともあれ。これで事件は、いよいよ大詰めを迎える事となる。
それにしても。
この期に及んで、弁護人に心を一切開かない、日本語で話もしない被告人とゆーのも。
逆に言えば、いっそ貴重なのかもしれない。
……異色すぎるとゆー意味で。