今回の目的は、ラミロア(と宝月茜)の証言を崩す事。
被告人との意志疎通ナシ、即ち休憩所のやり取りもナシのまま、始まる審理。
その名前からして、裁判長はまともに読めず。響也が説明。
響也「マキ・トバーユ……アルペジオの妖精さ」
因みに「アルペジオ(Arpeggio)」というのは、ギターの演奏法の一つでありまして……
取りあえず裁判とは無関係。
その裁判長、本日はどこか落ち着かず。
裁判長「不治の病にかかっているカタをお見舞いするときは……
なんとアイサツすればよろしいのでしょうねえ」
「じつは、お見舞いに行くのですよ。
コレが終わったら……司法長官の病室に」
「なんでも、ムスコさんがタイヘンな病気になられましてな。
どうやら、もうアブナイらしい、と」
……と、何とも危ない話題を語ってくれる。
なお、当然ながら、司法長官というのも架空の役職。
実際で例えるなら、法務大臣あたりだろうか。
最初の尋問。
セオリーに従って、刑事の茜から話を訊く。
現場の状況から判断して、犯人は通気口から逃げたはず、故にマキが犯人。
その決定的な証拠として、通気口にはマキの指紋があった…………。
私が主人公だったら。ここでこそ、異議を申し立てる。
検察側に、この言葉を叩きつけてみせる。
キサマの立証は、すべて状況証拠ばかりだ。
……と。
「この人以外に、この罪を犯せる人が他にいない」とゆーだけでは。
いくら何でも、決定的とは言えまい。
検察側が立証したのはあくまでも「マキは通気口を通った」という事に過ぎない。
現場からの逃走経路が他に無かったと言われても。
それなら、他の逃走経路を探すとかしないのか。
部屋に隠れる場所は無かったかとか。(『再会、そして逆転』法廷パート1回目・後編を参照)
裁判で語るべきは、証拠品のみ。現実の裁判でもそうだ。
凶器の指紋も出てこない、被告人の自白も出てこない、
そんな立証のドコが「決定的」なのか。
挙げ句に、事件の目撃者についてさえ、検察側は否定した。
少なくとも、「”直接的な”目撃者はいなかった」と。
今までの事件では、検察側は必ず、証人を用意していた。
犯行の直前、直後、あるいはその瞬間の被告人を目撃した証人を。
そして弁護側は、その証人の偽証、あるいは思い違いを暴く。
そうやって、検察側・弁護側ともに職務を全うする。
コレが基本だった。伝統だった。
なのに。それなのに。
決定的証拠のない「法廷バトル」なんて、カレー粉の入ってないカレーみたいな物だ。
……などと長々と語りましたが。
それ以前の問題として。
敵が爽やかすぎて、どうにも戦意が湧きません。
事件との関係を裁判長に叱責されても、当の響也はどこ吹く風。
響也「”遅効性の恋はアトロキニーネ”……」
なんて呑気な事をのたまってるし。
因みに。この「アトロキニーネ」。
こんな名前の薬物は、実在しません。
「アトロピン」とか「ストリキニーネ」とかだったら有りますが。
この時点では当方、ああパロディだなー、と笑って流せていたんですが…………。
そんなこんなを思いながら。
一人目の証人を、弁護人側が用意する事に。
まあ、実際の裁判なら、弁護人側も証人を出すわけだが。
響也「いつもより……ちょっと厳しめのペナルティをカクゴしてもらうよ」
と示されるペナルティが、ちっとも厳しくない。少なくとも私には。
一度に全ゲージ賭けたって良いのにな……。
かくて登場したラミロア。
ここで、彼女の驚くべき事実が明らかに。
響也「ラミロアさんはね。過去の記憶をなくされているのだよ」
何と、ボルジニアの歌姫として生きる以前の記憶がない――記憶喪失なのだという。
それなのにも関わらず、年齢40歳って明記されてるのは一体全体なぜ。
とにもかくにも、確かめたいのはブローチの件。
尋ねてみたら、ラミロアより先に響也が答えてくれた。
響也「それは……ラミロアさんのものだね。あの日も、ステージで見たよ」
ずいぶんアッサリ、口軽く。
それとも、あの兄にしてこの弟ありなのか。
その王泥喜の指摘を受け、ブーケを捲り上げて驚くラミロア。
ボルジニア語の方で話して、響也が通訳を務める一幕。
と言いますか、法律上アリなんだろうかこーゆー事態。
通訳は本来、公平な立場の第三者がやるべき……だろうねきっと。
てなわけで。続く尋問。
楽屋を覗いた時の事を尋ねる。
証言をぐるぐる揺さぶっているうち、はたと気がつく。
いつの間にやら腕輪のアイコン。
とうとう「みぬく」発動の描写そのものが無くなった。
ここまで来ると、もう当方にはコレ、自力ではまるで解けない。
よって、攻略情報の力を借りて、ラミロアの証言を崩す。
ラミロア「! ………………………………きゃあああああああああああッッ!」
と、悲鳴と共に、またもラミロアのベールが捲れまくる……が。
自分としては物足りない。
もっと壊れてほしいから。
それに。そういえば今作、師匠役が全く横に居てくれないんだな。いつも助手の方。
……イヤ、師匠役が横に居たら居たで大変なんだけど自分は。
てなわけで。続く尋問。
今度は、普通に証拠品を提出するので一安心。
その後、ラミロアから引き出した重要な証言。
ラミロア「小さなマドのようなものから……そう。”見た”のです」
後に思えば。この証言について、よくよく弁護側が問いただせていれば。
事件はヤヤコシイ事にならなかった。
もっと言えば、裁判前の取り調べの時に、よくよく検察側が問いただしてくれていれば。
後ついでに。
ラミロア「わたくし……歌い手として、この耳にはいささか自信があります。
一度聞いた”声”は、ゼッタイに忘れません」
この台詞もまた重要。この章の最後の出来事と絡んでくる。
が、しかし。ラミロアの証言は、ここでストップ。何故なら……。
響也「事件がおこったとき。あの小窓は”閉じていた”。
ザンネンながら……声など聞こえるワケがないのですよ」
と、いきなり明かされた事実によって。
(よく見ると、この時のアップのシーンにて、小窓そばに「開放厳禁」の文字が見える)
ともあれ、ラミロアの証言は信用ならないと判断され、彼女は一時退場。
茜への尋問に戻る事に。
今度の茜が語るのは、「見立て殺人」の件。
この件に関しては皆様、充分に異議を思いつくでしょうから――。
各自ご自由に、被告人を弁護してみて下さい。(配点5点)
しかしながら、この法廷で取り上げられるのは、犯人の身体について。
現場の状況から判断して、犯人は盲目である、故にマキが犯人。
その証拠として、壁に弾痕が残っている…………。
って、そもそも、
「マキの目が見えるか否か」という論と、「マキが実際に銃を撃ったか否か」という論とには、
何の関係もないと思うんですが……。
というか。実は今回の審理、弁護士と検事との間で、大幅な上下差が。
この法廷では響也だけが、王泥喜よりも誰よりも、遥か先の世界へ行ってしまっているのだ。
とにかく、事件にキーになるのは、死体のそばにあった血痕。
そこを突破口に、まずは茜をへち倒す。
だが、響也は倒せない。何故なら。
響也「ここに、被告人マキ・トバーユの検査報告書があるんだ。
コイツによると。彼の視力には……なんのモンダイもない」
「……彼は、”見える”んだ」
開廷直前に知らされたという、新たな事実を打ち明ける。
やっとこれで、ずっと引き離されてた検事側に追いつく事になる。
そんな響也のとばっちりを受けた形の茜。
何か役に立ちたいと、ルミノール検査を申し出る。
で、その検査を、なぜか王泥喜がする羽目に。
コレの要領も、かつての『蘇る逆転』探偵パート2回目と全く同じ。
(ただし『蘇る逆転』では、アルミ粉同様、自由に持ち歩く事が出来る)
その結果。浮かび上がってきた物は、「IPXX314206」という文字列。
響也曰く、どうも国際警察のIDナンバーらしく。
さっそく響也は、大庵にナンバーの照会を依頼する。
そして。今回の審理にて、最後に示される謎と、その答え。
ソレは即ち、ラミロアとマキの関係の――逆転。
ただ、その。
ここで王泥喜が真相を見抜けたのも全て、響也のおかげ。というのが何とも。
かくて再登場したラミロア。
その彼女を見て、呟く王泥喜。
王泥喜(あの目が……見えない? ホントなのか……)
フツーは、無理です。
見える人が見えないフリをする事は、一応出来る。
が、その逆は無理である。少なくとも、私の知る限りでは。
目を使わない人は、視線が定まらない。(定める必要が無い)
そのため、どうしても独特な表情になるのだ。
後それから。レタスが最期に残した言葉について。今も素朴に思うのだが……。
果たして結局、何を言いたかったのか。
「目撃者は目が見えない」という文は、まず日本語として成り立ってない。
それに。実のところ、レタスは事件当時、ラミロアを直接に見たわけではない。
もしかしたら「目撃者は目が見えるんだ本当は」……と、マキの方を指す台詞だったかもしれない。
もっと言えば、誰が自分を撃ったのか分からないという点からして、変なのだ。
とどのつまり、このダイイングメッセージの下りは、話を複雑にしているだけにも思える。
いっその事、物語から全略してしまっても、問題なかったんじゃないかなあ……。
(この点については、後の章でもう少し語ります)
そんなところに。調査を終えた大庵が戻って来る。
その報告で分かった事。
現場に残されていたナンバーは、レタス自身のIDだった事。
現場に残されていた銃も、レタス自身の物だった事。
そんな時。
「待った!」
と流れに飛びこんで来たのは――ラミロア。
ラミロア「今の、その声……」
「………………彼、です。まちがいありません」
「2発の銃声を聞いたとき……レタスさんと話していた声……そう。今の方です!」
その発言に、
響也「な。な……なんだとッ!」
と、ついに激しく動揺する響也。
まあ、私としては、もっともっと壊れてほしいトコですけれど。
……こうして、混乱かつ混迷極まる法廷は、ますます混沌の一途に……。