事件当時、馬堂と葛が居たという「第1控え室」へ赴く、御剣&冥。
その部屋の中には、馬堂&美雲が居た。
窓を開け放ってもまだ立ちこめる、妙に甘い花の匂いと共に。
どうやら美雲は馬堂から、何かを探すように頼まれているらしく。
美雲「バドウのおじちゃん! わたし、他の場所も探してくるね!」
と、彼女は外へ出て行く。
馬堂から受け取った、香水瓶を手にして。
とゆーわけで、さっそく自由行動……とゆーわけで。
超々広範囲の寄り道タイム開始!
法廷・ロビー・廊下・第2控え室……と、
今まで通って来た全ての場所を自由自在に歩ける事に正直驚く。
2周目以降は、ゲーム本編そっちのけで流浪してしまう当方。
なお、状況が動いたため、各所ビミョーにコメントが変化している。
美雲や葛に声をかける事も一応可能。
個人的には、カツサンドを食べたがる冥をプッシュしておきたい。
そんな風に歩き回って満足してから、「第1控え室」で、馬堂に声をかける。
話を聞くに、甘ったるい匂いの正体は、葛の零した香水だとの事。
馬堂「……ワビといって……同じ物をよこしやがった。……コムスメ。お前にくれてやるよ……」
冥「御剣怜侍! 持っておきなさい!」
という流れで、なぜか御剣も、葛の香水瓶を受け取る事に。
その後に語られるべき事は無論、一つしかない。
馬堂「KG-8号事件の”真実”を教えてやろう!」
そう言って、ずっと口にくわえていたチ○ッパチ○ップスを取り出して、馬堂は話し始める。
ってコレ……フツーの流れなら(飴じゃなくて)煙草だろうね、きっと。
馬堂「一条も俺も、もともと密輸組織事件の担当をしていた」
「だが、事件はうやむやにされた!
天野河コンツェルンと、密輸組織との関係について、
証言するはずだった、葛由卯子が殺されたことでな!」
そして、そのスケープゴートとして自首してきたのが、
天野河コンツェルンの秘書・鞍馬純夫だった。(『さらわれる逆転』参照)
黒幕の存在を示されて、御剣は密かに戸惑う。
御剣(天野河コンツェルンの幹部……まさか、丈一郎さん……)
(丈一郎さんのことを疑うなど……どうかしている)
今回のシリーズで、事件の順序がシャッフルされている事情の一端が、ココで見えた。
もしも物語が時系列に沿って進んだら、この下りが意味不明になってしまうのだ。
と言いますか、やっぱり御剣にも、いろいろ葛藤あったんだなあ……。
話を戻そう。
KG-8号事件の当時、馬堂が受けたダメージは大きかった。
由卯子を失っただけでなく、一条や馬堂自身も敵に襲われて。
その一方で、肝心のマニイは無罪放免になった。
そんな折――KG-8号事件の判決の日に、彼らは弁護士の葛と出会った。
KG-8号事件の後も、密輸事件を追い続けた一条&馬堂に、やがて葛も加わる。
彼らは、検事として、刑事として、弁護士として、それぞれ事件を探っていったのだ。
なお、馬堂と一条は、一条の新人時代から続く縁。
馬堂「……一条とは、いくつもの事件を……共に解決してきたもんだ……」
この通り、この世界では検事と刑事がコンビを組むのが通例となっているようだ。
我々の実社会で言えば、検事と検察事務官のような関係に近いかも。
最後に御剣は、大泥棒「ヤタガラス」の件に言及する。
それで馬堂が答えた、「ヤタガラス」の特徴三つ。
馬堂「ひとつ! どの建物のどこに盗むモノがあるか、セイカクに知っていること。
ふたつ! あらゆる警備システムを突破するノウハウを持っていること。
みっつ! 盗んだ現場に、一切手がかりを残さず去ってゆくこと、だ!」
この台詞を読んだ時。ミステリ好きの方々ならピンと来たかもしれない。
これほどカンペキな存在が、物理的にあり得るかどうかを。
もし、あり得るとするならば、その答えは―― 一つしかないのだ。
更に馬堂は断言する。
馬堂「真刈がヤタガラスではないことは……すぐ分かった」
「密輸組織に関係あるという証拠が……警察に送られてきた……。
コードピア大使館に忍び込んでいた……ヤタガラス本人から、な……」
「その証拠品が何かは……一条や俺……警察関係者でも、一部しか知らん……」
「今回……白いカードと共に送られてきた証拠品……。
それが何だったのか……真刈は答えられなかった」
以上、ひとしきり話を済ませると、裁判長に呼ばれて法廷に戻る事に。
ところが裁判長、声をかけてもこんな感じで。
裁判長「……はぁ……」
「……ひぃ……」
「……ふぅ……」
「……へぇ……」
「ほっ!」
小説だったら水増しレベルだぞコレ。
ともあれ、まずは検事席に置かれた証拠品をチェックしていく……その前に。
……このタイミングでも自由行動できるってのがオソロシイ。
自分としては、こういうフリーダムな仕様は、かなり好みだ。
因みに、この時もビミョーな変化がいくつか。
例えば、馬堂や美雲には会えるが、葛には会えないとか。
そんな感じに、ぐるぐるぐると裁判所ツアーを終えてから、検事席に歩み寄る。
調べる品の中で、最も重要な物は――凶器のナイフ。
冥「この金色の部分、花の形をしているわね」
という、変わった装飾をしているソレは、変わった作りの正体を隠していた。
一条でさえも知らなかった、証拠品「ヤタガラスの鍵」の秘密。
ソレを知っているのは、ヤタガラス本人しか、あり得ないはず。
更に調査を進めようと思った矢先。
プロローグでも登場していた、犯行ビデオのテープが見当たらないため、
事件現場である「第2控え室」に再び戻る。
するとソコに居たのは馬堂と、それから見慣れない制服警官。
馬堂には、礼儀正しく敬語で話をする一方、御剣を見た途端、態度が変わる。
「はっ。アンタがこの事件の担当検事か。
……検事なんかが、現場にしゃしゃり出てくるんじゃねえよ!」
実はコレこそが初対面だったり。
出て行った制服警官(というか狼)について、
馬堂「なんでも……ジブンの家を再興するために……
世界中の逮捕学を……イチから学び直しているのだと……」
という説明を受けた後、
事件の流れを尋問していく……その前に。
……このタイミングでも自由行動(以下略)。
因みに、この時になると、葛がロビーに復活している。
もう何度目かになった裁判所ツアーを切り上げて。
まず御剣は、「ヤタガラスの鍵」の秘密を告げた上で、馬堂に問う。
次なる目的は、馬堂一徹の主張を崩す事。
ココでポイントになるのはズヴァリ、「音」だ。
もし事件当時、馬堂が銃声を耳にしたなら、美雲の風船の音も耳にしたはず。
風船の音が聞こえないような防音の部屋だというなら、銃声だって聞こえないはず。
そこまで考えが至った次の瞬間。
零れ流れた香水――鳴り響いたTV――消え去ったビデオテープ――
データが次々と更新され、自動的にロジックスペースへ移動する。
コレが天才の思考回路という物か。
匂いが流れて消えるなら、音も流れて消えるはず。
(私が)はやる気持ちを抑えつつ、さっそく調べたビデオデッキには、
やはり、犯行ビデオのテープがセットされていた。
さて。それで、この章の最後の質問。
御剣「馬堂刑事たちが聞いた銃声が何の音で、どこから聞こえたか?」
正直に申し上げる。
この時、いったい何をドコに突きつけたら良いやらサッパリ分からなかったのは私です。
ええと、ええと……要するに、窓を開けた部屋で、TVをつけて、犯行時刻をゴマカしたんだろ?
つーか、そもそも今回の事件、第1と第2と、どっちが犯行現場だったんだっけ?
ええと、ええと、何だったっけ、あれあれあれあれ……?(←パニくり過ぎ)
考えるに自分、「現場の状況とムジュンしているのは?」という問われ方に囚われてしまうようだ。
御剣の心の声にあるように、「関係がある証拠品は?」と考えた方が良いのかも。
何はともあれ、これで殺害現場のトリックは明らかにされた。
後は、事件の真犯人を引きずり出すだけだ……!