『第2章 豪炎の魔女裁判』実況レポート

月夜を独り歩く少女に、襲いかかる盗賊二人。
手に持つランプが砕けるのをきっかけに、
何者かによって言霊は紡がれ、鮮やかな炎が燃え上がる――。



この章の構造はどうしても、『失われた逆転』をなぞる形にならざるを得ないだろう。
「慣れない弁護」というシチュエーションにも限りがある。





成歩堂&真宵の連行された裁判所にて。
マホーネ「おねがいです、ナルホドさん! わたしを……もう一度、助けて……」

殺人の疑いをかけられたマホーネの意識下にあるのは、かつての勇者――成歩堂の戦う姿。
そう訴える彼女の言葉によって、成歩堂の意識も蘇り始めた。

呼ばれた彼らの入った部屋は、その名も「火刑法大廷の間」
そこで見たのは、別件の裁判の終焉だった。
無実を訴える女は、しかし有罪と見なされ、缶詰状態で炎に投げこまれる。



さて開廷。
木槌持ってる裁判長が、逆に自然に見える雰囲気。

被告人のマホーネは、中空高くの檻に収監され、既に晒し者の状態。
当然、発言も一切認められない。人権もへったくれも無い。
もっとも、魔女裁判に「弁護士」なんて物がある時点で、むしろ優遇されてるとも言える。
それとも逆に、徹底的に嬲り者にする事が目的なのか。


さっそく審理開始と行きたいが、例によって(?)向かいは空席のまま。

裁判長「高名なる検察士よ。今すぐ名乗りを上げよ。
     さもなくば……法の剣を交えることなくして、このパン屋の勝利が、決するッ!」
あら何とフェアプレイ、と驚く一方、ここまで含めて演出なのかとも考える。

現れた検事、もとい検察士、ジーケン・バーンロッド。
まるで偶像(アイドル)のような入場と口上に、
傍聴人、もとい観客たちのテンションは一気に上がる。
さながら『さらば、逆転』の時のような針のムシロ状態だ。


それで、マホーネが炎を操った件で、目撃者として召喚された証人が……いっぺんに4人
じーさんと、ミルク屋と、花売り娘と、騎士見習いと。
ジーケン「ようこそ法廷へ、証人の衆」

……と言っても、今の時点ではまだ、やる事は同じ。
証言を揺さぶって、新たな証拠品を出させて、
異議を唱えれば、前の事件と同じように、奇跡が起こる。

成歩堂(今……思い出した! すべて……)
よし!これで行ける!と勝利を確信したのは、けれど束の間。
いつの間にか一緒に正気に返った真宵と共に、成歩堂は激しく混乱。



魔女は、”い”る。



俺はそんなモノ認めねえ!とは叫べない。
だって成歩堂自身、ほんの数分前まで、この町で生まれてからずっと、
それを当たり前と思って生きてきた――つもりだったのだから。

だが、その偽りの記憶は、みるみる薄れて消えていく。
正気に返れば返るほど、異常な非常識は、元の常識に駆逐されていく。



パニックの極致のところで、入る手助け。
「待った!」の宣言(コール)を告げ、テーマソングと共に入廷するレイトン(&ルーク)。
かくて、弁護士&霊媒師、英国紳士&英国少年、主役四人が出そろった。

自分たちの洗脳が解けた事を打ち明ける成歩堂に、レイトン達がアドバイス。
レイトン「今は。この世界の《ルール》を受け入れるしかありません」
ルーク「”下画面”を見てください!」
と促されれば、「魔法大全」コマンドが登場している。
ページを開けば、確かに呪文「メラミン」の記述があった。

さあさ、これで準備は整ったぞ。
魔法の存在を受け入れよ、成歩堂龍一ぃぃぃ!(←作品違う)



さっそく成歩堂、ラビリンスシティののルールに基づいて、
「魔法は存在するとしても、事件に魔法は関わっていない」
と論を再構築したが、魔法の道は奥深かった。


物が見えなくなる魔法なんつー都合のイイ物がある一方で、カガク捜査は片っ端から使えない。
レイトン「この世界には。『写真』というものが存在しないようです」
     「この世界には、まだ『指紋』は存在しないようですね」

より正確には、「指紋検出法」が証拠として確立されてないという事になろうか。

以降しばらく、成歩堂が論に詰まる度に、レイトンが場をつなぐ展開が繰り返される。

「異議あり!」宣言(コール)も華麗に決めて。
どこかの赤い人みたいに片手で机を引っぱたき。
隣の青い人みたいにビシッと指を突きつけて。
女モロヘイヤも、手癖の悪いオバチャンもなぎ倒す。成歩堂の背中を押して。

……もう、教授一人でもいいんじゃないかな。これ。


レイトン「これが、”論理”……《ロジック》というものなのですよ」
最初から、薄々思ってたけど。
この人って実は、御剣の同位体だろ。



ともあれ、成歩堂&レイトンが繰り出すは、
「弁論」という名の、言わば超技術(オーバーテクノロジー)。
だがジーケンは、その技術を早々に把握して使い始める。

重要なのは、呪文の聞こえたタイミング。
その時、マホーネは杖を持てたのか、それとも否か。


とにかくいつもの尋問を始める成歩堂だったが。

「ガラスの割れる音だと……? いや。そんなの、知らんのォ」

……? じーさんが喋った横で、何か変な漫符が出たぞ。
もう一度、同じシーンをリフレインすると、
レイトンの説明に従う形で、新たなコマンドが更に追加。
証言中でない証人に話を向ける「といつめる」がここで登場する。

なお、こうした複数の証人への尋問は、「対質」と言われる物であり、
我々の実社会にも存在します。



そんなリアルな戦法の下で。

「ちょっと!」

いまいちマヌケな掛け声で、成歩堂は論を展開。
結果、呪文の聞こえたタイミングが、変わった。

これで証人4人から、吐かれる反論は尽きた……はずだった。
と、そこに乱入してきた、酔っ払いのオジサンによって、証人たちは再び血気盛んに。
まだ戦いは終わってくれない。










かくて、今度は5人でスクラム組んだ証人たち。
ジーケンとも連携されたら6人チームだ。

成歩堂は左手ぱたぱたの新モーションで、オジサンを中心に問いつめてみるが、
のらりくらりとかわされる。
故に、こちらは基本に還り、地道に敵陣を突き崩す。
故に、導かれる真相は、この世界がミステリだろうがファンタジーだろうが、たった一つ。



真犯人は、”い”る。



コレを使ったのは間違いない!
と、力の限りに杖をジーケンにぶん投げて、とうとうペナルティを食らう私。
「魔法大全」のページまで開かなきゃダメなのね。

オジサンの証言をとことんまで追求した後。レイトンが啖呵を切った。
レイトン「”常識”の通用しない世界では、”常識”ほど、ジャマなものはない。
     ならば、捨ててしまえばよい!」

そう言ってレイトンは、証人同士、証言同士のムジュンを突く事を、成歩堂に提案する。
因みに、我々の実社会では、こういう証言の食い違いを問いただす事こそが「対質」の目的です。



レイトン「……行きますよ。ミスター・ナルホドー!」
はい先生!ぼく頑張ります!
思わずルークの口調になっちゃう成歩堂を夢想しながら、思いきって勝負をかける。

成歩堂「オジサンの証言と、”ムジュン”しているのは……」
レイトン「そう……あなたです」

両雄、背中合わせに並び立ち、ユニゾンで腕振り上げて犯人指名。
その直後こそ、まだ穏やかだった真犯人だが、
成歩堂&レイトンに追いつめられて、豹変してからの目つきが非常にコワイ。
何か、ある種のLEVEL5発症してません?

最後に暴くは、わざわざ自ら目撃者のふりをした動機。
疑われる可能性を少しでも減らしたかった……という理屈に、初見の時は戸惑った。
現代社会なら、いくらでも言い逃れできる状況だろうし。
実際、当の真犯人も開き直って居直ってるし。



後はもう一歩。
決定的な証拠品を突きつけるだけ。
レイトン「……どうやら。彼女が言いたいことは以上のようですね。ミスター・ナルホドー」
成歩堂「……ええ。そうみたいですね……レイトンさん」
二人揃って、漆黒のオーラを立ち上らせて、そして宣言。



「”魔女”は、あなたです!」



普段の逆転シリーズなら、これにて一件落着となる。
が、この世界の裁判に、勝利の紙吹雪は舞い散らない。
真犯人は、即刻処刑される。
あの大魔女ベーゼラの正体を、最期まで告発しながら。
その結末を、成歩堂もレイトンも、阻む事は出来ないまま……。

しかし。冷静に考えると分かる事だが、つまりこの裁判、
被告人が実際に死ぬ瞬間を、誰も目撃していないのだ。
実際の魔女裁判では、こうは行かない。
見せしめも兼ねて、衆人環視で火あぶりに処されるのだから。





ともあれ、ひとまず事件は解決。

マホーネ「わたし、思い出したんです。あの、裁判が終わったときに……
      これが、2回目なんですよね。みなさんに助けていただくの……」
…………。
前章から思ってたが、どうにもご都合のいい記憶喪失なんだよなあ、これ…………。


成歩堂は差し当たって、レイトンに事情聴取。
マホーネに関する、互いの情報を交換し合う。
すると、不自然に浮き上がってくるのが、マホーネが学生として動かされていたという点。
まさか、公的な司法の場で、全部身分を捏造した?
それこそ魔法レベルの作業になるぞ。


疑問は残るが、マホーネとは一旦お別れ。
残った4人は、今度こそ本当の自己紹介の時間。

そこに登場したジーケンいわく、マホーネは改めて、大魔女ベーゼラの嫌疑をかけられたそうで。
2週間後、次のストーリーテラーのパレードまでに進展が無ければ、また裁判が始まってしまう。

よって、成歩堂チームとレイトンチームは、共同戦線を張る事になった。
マホーネを救うため、大魔女ベーゼラを見つけだすために。




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